私は20代の終わりごろ、それまで勤めていた自衛隊を辞め、その隊門の前からバイクで旅に出ました。 |
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| 行政書士かわらばん Top | のほほん旅日記(10) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 知床旅情 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ご存知のとおり、知床半島には今もって沿岸を一周する道路がない。 そこを海岸伝いに歩いて半島の突端、灯台のあるところまで行ってみようと いうんだから無謀というかこわいもの知らずというか。熊が出るってのに。 熊といえばあちこちでうわさは聞いた。ユースホステルのヘルパーの女の子 なんてウソだかホントだか知らないが、真剣な顔で言ったもんだ。 「今年は山に手負いがいるらしいよ。」 出発当日。それぞれにテント・寝袋その他を担いでキャンプ場から町へ下り、 よろず屋で食糧を買い込んで、さて歩き出す。 主要道路は羅臼までなのだが、そこからしばらくついでのように道が伸びて いる。大きな集落はないものの、それでも道沿いにぽつぽつと漁師の家が 並び、小学校や簡易郵便局がある。 途中まで乗せてくれた郵便配達のおじさんが、 「あそこの家は建てるのに○億。この家には○千万のシャンデリアがある。」 などと教えてくれる。田舎の郵便配達はさすがに詳しい。 丁重に礼を述べて車を降ろしてもらい、そこから歩くこと3時間。ついに行き 止まりの地点に来た。 道道87号線の行き止まりまで行った人もそうはあるまいから書いておくが、 ここは橋である。 幅1メートルほどの川に橋が架かっていて、渡ったら目の前には崖がそびえ たっている。文字通り道をふさいでいるのだが、となると素朴な疑問がわい てくる。 この橋は何なんだ? どうせ行き止まりなら川を渡る必要はあるまいに。 崖を右へ回りこむと岩だらけの海岸に出た。いよいよ道なき道を歩き始める。 岩をまたぎ、飛び越え、大きなものは迂回する。そのために海に入らねば ならないこともある。小川もいくつか越えたからすでに靴は水浸しである。 左手の山の上に赤い鳥居が見える。行ってみると小さな鳥居の奥に粗末な祠が しつらえてあり、一合瓶のお神酒が供えてあった。漁師が安全・豊漁を願って 建てたものだろう。 われわれも前途の無事を祈って手を合わせる。どうか熊に出くわしませんよう に。 「住吉神社(海の神様)に熊除けじゃちょっと方向が違うんじゃねぇか。」と サンボが言うから、「最近は神様も忙しいんだ。」と返しておいた。 しばらく行くと、同じ石コロだらけながらやや平らな場所に出た。まだ明るい が、こういう冒険旅行では無理は禁物である。ここにテントを張ることにする。 設営が終わるとサンボと板さんはイワナ釣りに出かけた。残った者はタキギを 集める。木材はたくさん打ち上げられているからそれは不自由しない。 やがて2人が熊に食われずに帰ってきた。釣果は10匹ほど。バターソテー、塩 焼きなどでいただき、初日は無事に暮れた。 のほほん旅日記(11)へ 行政書士かわらばん Topへ |
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