私は20代の終わりごろ、それまで勤めていた自衛隊を辞め、その隊門の前からバイクで旅に出ました。 |
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| 行政書士かわらばん Top | のほほん旅日記(15) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 柳家小三治 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 再び北海道へ戻って道南をウロウロしていたある日… おや、小三治師匠が来るそうな。 ドサ(地方巡業)で北海道へ来るのに、師匠のことだから ノリ(移動手段)は好きなバイクで、ってシャレてるねぇ。 しかも僕が今いる伊達には明日だとさ。こりゃ聴かない手は ない。 チケットは各プレイガイドで、とあるから行ってみたら、 なに、ただの文房具屋だ。このあたりいかにものどかです。 さて当日。 会場は公民館だから観客は床にじかに座る。扇子であおぎな がら寝そべっているステテコ姿のおじさんもいる。 昔の寄席ってなぁこんな風だったんでしょうね。 職員のおばさんがマイクで開演を告げて始まった。 前座、二つ目と進み、いよいよ師匠の登場。口をへの字に 結んだいつもの顔でのそのそと現れる。 まず人気の漫談をひとくさり語る。小三治はこれが面白い。 やがてつと居ずまいを正して、今日の出し物は「ねずみ穴」 いや楽しい高座だった、と追い出し太鼓を聞いていると、 ふと横の扉が開き、ソバの盆を持った人が現れた。 地元の人たちの振る舞いだという。晩飯抜きでここへ来て、 さてハネたら飯はどうしようと思っていたところだったから これはありがたかった。師匠も高座ですすっている。 落語で楽しみ、晩飯にまでありつけた伊達の一夜はこうして 暮れてゆきました。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 てぬぐい 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ヒマだからこのバイク巡業についていくことにした。 函館に始まって、伊達、札幌、岩見沢と北上していく。 お客さんは毎回違うんだから、噺家の方は同じネタを演じて いればいいんだが、しかし僕のようについていく人間には 毎回同じではさすがに飽きる。 紋別でも同じネタだったから、もうこれでやめようと思った その晩… 席がハネて帰る時、出口でお客に挨拶していた若手が僕の ヘルメットに気づいて声をかけてきた。バイク巡業だけに、 若手も全員バイクに乗っている。 伊達からここまでずっとついてきたというと、驚いて 「座長に言わなきゃ」 小三治師匠に会わせてくれるという。 楽屋の入り口まで行ったところで 「ノダ君てぇ名前じゃないだろうね」 という声とともに、あの四角い顔がヒョイとのれんの内から 現れた。 してみると、僕の他にもバイクで巡業について歩いた物好き がいるとみえる。 二言三言話をした後、師匠はてぬぐいをくれた。 「オイルなんぞ拭かないように」と。 またひとつ、旅の思い出と宝物が増えました。 のほほん旅日記(16)へ 行政書士かわらばん Topへ |
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