私は20代の終わりごろ、それまで勤めていた自衛隊を辞め、その隊門の前からバイクで旅に出ました。 |
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| 行政書士かわらばん Top | のほほん旅日記(8) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 夢舎 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ゆめや、と読む。わが放浪の旅の拠点のひとつである。 十勝平野のほぼ中央、池田と北見を結ぶ第三セクター「ふるさと銀河線」 の途中にある小利別(しょうとしべつ)駅前にある。 元は小利別小学校だった校舎を改装して民宿にしたものだ。 ![]() ここにあるもの…駅、国道、郵便局を兼ねたよろず屋、夢舎、大自然 ここにないもの…それ以外のすべて 夜になるとますます人気(ひとけ)は絶え、星空がのしかかってくる。 夜空を見上げつつビールを飲んでいたら、前の道路を車が通った。しばらく してまた1台。宿主がつぶやいた。 「車が増えてうるそうなったわい。」そんな宿である。 談話室の畳に寝そべって、ストーブで薪がはぜる音を聞くともなく聞いて いる。平穏とは静寂のことなのだということを思い出させてくれる場所が ここにある。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 名無しの湯 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 おもしろい湯があるから行こう、と誘われて夢舎を出る。 置戸町を抜け、どのくらい走ったろうか、車は山道に入る。どんどん道は悪く なる。営林署しか通らない林道をもがくように進んでいくと、突然その湯は あった。 水道管を通ってきたかのようにいきなり崖の中腹から湯が噴き出しているのだ。 下に家庭用のバスタブを置いて受けているが、ドウドウと流れっ放しである。 まわりは寥々(りょうりょう)たる原生林。偉大なるかな北海道。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「北の国から」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 放送開始を告げるチラシ(1981年)犬も歩けば、という諺はいい意味なのかどうか知らないが、この日は吉と出た。 もうそろそろラベンダーが見ごろだというから富良野へやってきたのである。 な ん と な く 宿帳の職業欄には「詩的放浪者」などと書き、本人は旅人のつもりだから 観光客といわれるとムッとするアマノジャクの僕がラベンダーごときを見に 出かけるなぞ珍しいことだが、事実この日の日記には「一日中観光客のふり」 と記している。 お花畑の写真を撮り、ラベンダーアイスを食べ、とどめに「北の国から」の 「五郎さんの小屋」を見て、なんの気なしに隣にあるログハウスの喫茶店に 入ったら、そこにいた。 倉本 聰 その時僕のとった行動たるやミーハーも極まれり。コースターを差し出して いたのだ。頭に血が昇っているから口はもつれ、はたして、お願いしますと 言ったかどうか。 この無礼なファンに氏は一瞬けげんな顔をしたが、何も言わずにコースター を裏返してサインをしてくださった。
社会にたびたび怒っておられる。 このころの僕はキザで生意気で礼儀も知らず、今の僕がそうではないとは 決して言えないが、あのころの僕がそうだったとは今の僕がはっきり断言する。 何かの拍子にこの日のわがふるまいを思い出すたびに、思わず首をすくめて しまう。冷汗一斗とはこのことである。 今となっては宝物となったコースターとともに良き思い出ではあるのだが。 のほほん旅日記(9)へ 行政書士かわらばん Topへ |
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