■新聞でこんな記事を見ました
≪客の評価よければごほうび≫
ステーキハウスのフォルクスは今月、客のアンケートで接客態度などが優れていると
評価された従業員に、注文を取ったメニューの売上高の1%分を特別手当として支給
する制度を導入した。
■さすが山口社長
やるなぁ、とつぶやいてしまいました。
かつて私はダイエー系列のファミリーレストランに勤めていましたが、そのころ会社
はジリ貧なのに新たな手を打てずにいました。
そこへダイエー本社から社長としてやってきたのが山口さんでした。今思えば、会社
に革命をおこした人という印象です。すっかり会社を作り変えてしまったのです。
まずファミリーレストランならどこにでもある日替わりランチをやめました。月に一
度しか使わない食材を保管しておくなど無駄だ、と。社内の大反対を押し切っての決
断でした。
確かに食材の種類が少なければ回転率が上がり、常に新鮮なものをお客様に提供でき
ますし、棚卸しも楽です。今までにない発想でした。
代りにワンコインメニューという500円のランチを始めました。当時としては驚く
べき安さです。しかもこれは通常メニューと同じ食材を使いますから無駄は出ません。
他にも子供が喜びそうな企画を打ち出したり、割引券の配布を始めたり、社内に向け
ては週に一度『支配人メッセージ』と題して各店に手紙を配って会社の現状を伝え、
さまざまな社員教育をし…
まさに上からの改革でした。会社がどんどん変わっていく手応えがあり、毎週の『支
配人メッセージ』が楽しみになりました。私に、
「ランチタイムにどんなに忙しくなっても、店長たる君は動くな。店の中央に立って
全体を見回しておれ」
と指揮官の大切さを教え、仕事の概念を変えてくれたのも山口さんです。
私は今、「マーケティングが云々…」と大きな顔をしてほざいていますが、自分が勉
強して知ってみると、彼のやったことはすべてマーケティング戦略に見事に合致して
いるのを発見して再び驚いています。
残念なことに山口さんは2年ほどでまた本社に帰ってしまい、すると多くのことが再
び以前に戻され、売り上げは落ち、ついにこの会社はダイエーから見放されてしまい
ました。
私は彼がフォルクスの社長になったのは知っていましたから、この記事を見たときい
かにも山口さんらしいな、と感慨を新たにした次第です。
私の人生の中で尊敬できる数少ない人のうちの一人です。
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